第五章 入社後 | VISA申請・外国人雇用支援専門の行政書士河村事務所です。三重県鳥羽市を中心に国際結婚・永住帰化・特定技能・技能実習等の業務を展開

第五章 入社後

入社後の労務管理や入管法上の注意点

 

外国人雇用状況の届出

 

 新たに外国人を雇用した場合、「外国人雇用状況の届出」が「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律」により義務付けられています。

 こちらの届出は社会保険に加入している事業所の場合、「雇用保険の被保険者資格の取得届」に、在留資格、在留期間、国籍・地域等を記載して届け出ることで足りるとされています。届出期限は、雇用保険の被保険者資格の取得届同様に雇入れの翌月10日までとされています。

 雇用保険の被保険者ではない外国人に係る届出は、所定の届出様式に、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域等を記載して提出します。 届出期限は雇入れの翌月末日までです。いずれも提出先はハローワーク(公共職業安定所)

 

パスポートの預かり禁止

 

 外国人にはパスポートの携帯義務がありますが、在留カードを所持している場合は、パスポートの携帯義務が免除されます。このため、失踪対策としてパスポートを企業等が預かるといったことが聞かれますが、たとえ外国人本人から頼まれたとしても、パスポートの保管は違法行為となりますので絶対に行わないようにしましょう。

 

入社時研修

 

 多くの企業で、入社後には新入社員研修等が行われますが、外国人労働者の中にはこのような研修を自分の業務外だと主張し、参加を拒否する場合があります。

 このような場合には、業務の一環として必要な研修であり、拒否できない旨等をしっかり説明した上で参加を促します。

 ただ、業務としての研修である以上、労働時間として参入され、賃金が発生しますので、この点は企業側にも十分認識が必要です。くれぐれも時間外や休日等に無給で行うといった事のないようにしましょう。

 

健康診断

 

 定期的な健康診断は労働安全衛生法により義務付けられています。

 外国人の場合、健康診断を受診拒否するような場合も見受けられますが、健康診断はあくまでも事業所の義務であるため、その旨をしっかり説明し、外国人労働者自身の健康管理のためにも、受診をさせましょう。

 

労災防止策

 

 職場での労災事故を防止するために、様々な労災防止策を講じる必要がありますが、これらが外国人労働者にもわかるようにしなければ意味がありません。
 外国人労働者が、内容をしっかり理解できるように、社内研修等を実施したり、なるべく平易な言葉やイラストを用いる等の工夫をし、見やすい場所に掲示するようにし、労災防止に努めましょう。

 

業務内容に関する注意点

 

 外国人労働者の場合、就労VISAで許可された範囲内でしか就労することはできません。

 基本的に専属で、その業務にのみ従事させる必要があります。日本人労働者のように、あれもこれもと様々な業務を行わせると「資格外活動」となりますので注意しましょう。

 

業務記録

 

 業務日誌や作業日報といった形で、日々の業務内容を記録として残します。

 就労VISAには期限があり、雇用を継続するためには在留期間を更新する必要がありますが、更新申請をする際には、業務内容が適正かどうかの審査がされます。

 この業務内容を立証する資料として、日々の業務記録が重要になりますので、日々の業務内容の記録を残すようにしましょう。

 

社会保険への加入

 

 従業員を雇用する事業主には社会保険(雇用保険や労災保険、厚生年金などの公的年金)の加入が義務付けられており、外国人労働者の場合にも、社会保険への加入が必要になります。

 社会保険が未加入の状態だと、就労VISAの更新審査時に不利になり、更新が不許可となる場合もありますので、必ず加入するようにしてください。

 

納税義務の履行

 

 納税は義務であり、納税義務の不履行はそのまま不許可事由となり得ます。

 入社後の場合は、源泉徴収等で納税されるため比較的安心ですが、入社前の納税がされていないことなどが就労VISAの更新時に発覚するような場合があり、この様な場合は金額も大きくなりがちですので、入社時に以前の納税状況なども確認しておくと良いでしょう。

 

交通違反

 

 交通事故や交通違反を起こした場合、警察への報告と事業所への報告を必ず行わせるようにします。また入管当局への申請時には適宜、運転記録証明書などの資料を取得し提出します。通常、速度違反や駐車違反等の比較的軽微な違反は就労VISAに大きな影響は与えませんが、これらの違反も何度も繰り返してしまうと就労VISAの取り消しなどの処分を受けますので、くれぐれも違反の内容に気をつけてください。

 事故や違反が就労VISAの更新に不利になる事は確かですが、不利な情報を故意に隠すことの方が入管当局の心証を害します。

 不利な事実も隠さず認め、反省の意思を示した上で、再発防止に取り組むべきです。

 

業務内容変更時の注意点

 

 勤務内容や勤務地を変更する場合は、資格外活動に注意をする必要があります。

 外国人労働者の場合、基本的に就労VISAの許可時の業務にのみ従事させることが認められていますので、許可なく別の業務に従事させることは資格外活動に当たります。

 許可時の業務に変更が生じる様な場合、在留資格変更許可申請が必要になる場合がありますので、注意が必要です。

また、在留資格変更許可申請は必ずしも許可されるものではありません。そのため、業務内容の変更はくれぐれも慎重に行ってください。

 

入社後の継続的な教育

 

〇法令研修

 

労働基準法等の労働社会保険関係法令や入管法、また、交通法規等の基礎的な法令に関する教育を行い、法令遵守の意識を高めましょう。

 

〇日本語教育

 

 日本で生活する上で、日本語でのやり取りは欠かせません。

入社後も継続的な日本語教育の機会を提供する等の配慮が必要です。日本語能力検定等の資格取得を奨励するのも良いでしょう。

 

〇生活指導

 

日常の生活について、日本と海外の生活習慣の違いなどに配慮しつつ、生活指導を行い、特に、事業所や社宅等の外国人労働者の居住場所の近隣住民とのトラブルを未然に防ぐ施策を講じましょう。

 

✓これらの継続的な教育は必ずしも法律上の義務として定められているものではありませんが、継続的な教育を行う事で、外国人労働者の日常生活でのストレスやトラブルを防止し、退職者を抑制し、定着率向上にも効果が期待できますので、可能な限り実施するような体制作りが求められます。

 

〇日常の生活支援

 

 仕事に関する相談、各種ハラスメントに関する相談をはじめ、場合によってはプライベートな相談まで、外国人労働者が気軽に相談できる環境を整えましょう。

 また、相談にあたっては相談したことにより、不利益な扱いを受けないようにするとともに、相談内容が第三者に漏れないようにしっかりと管理するようにしましょう。

 

〇資格の取得等の推奨

 

 業務に関連する資格の取得は、外国人労働者のスキルアップに繋がるとともに、就労VISAの更新時にも有利に働く場合もありますので、是非とも資格の取得を推奨し、学習時間が確保できるような職場環境を整えましょう。

 

在留期間の更新

 

 就労VISAには期限が定められています。新規に就労VISAを取得した場合、1年の在留期間が指定される事が多いため、1年後には「在留期間更新許可申請」を行う必要があります。

 では、在留期間更新許可申請の手続きについては、詳しく見ていきましょう。

 

✓更新申請では、前回の申請時からの在留状況が審査されます。原則として書類審査がなされますので、次にその審査に必要な書類を確認していきましょう。

 

〇法定資料

 

法定資料とは文字通り、入管法に規定された資料になります。

申請書をはじめ、会社の決算資料や申請者の納税証明などが規定されていますが、これらの法定資料はあくまでも受け付けをしてくれる最低限の資料になりますので、ほぼ間違いなく追加資料を求められます。

 

〇任意資料

 

法定資料の他に任意資料として、提出するものには次のようなものがあげられます。

 

〇業務内容の適正性

 

 外国人労働者が行っていた業務内容が、許可された範囲の業務かどうかを立証する書類。

例えば業務日誌や作業日報のような日々の業務内容がわかる書類や、会社発行の業務内容の証明書などがこれにあたります。

 

違反行為に対するフォロー

 

 業務内容が許可された範囲を逸脱していた場合や、交通違反、税金の滞納等、就労VISAの更新が不許可とされ得る違反行為があった場合には、これらの違反行為を犯してしまった理由や反省の意思、再発防止策等を丁寧に説明しフォローしていく必要があります。

 

✓就労VISAの更新は、必ずしも許可されるものではありません。

更新申請は、在留期間満了のおおむね3ヶ月前から受け付けられますので、なるべく早めに申請の準備を行い、慎重に検討を重ねた上で申請をするようにしましょう。

 

また、もし万が一不許可となった場合の対応等も念のため検討しておくことも必要です。

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