第二章 雇用形態 | VISA申請・外国人雇用支援専門の行政書士河村事務所です。三重県鳥羽市を中心に国際結婚・永住帰化・特定技能・技能実習等の業務を展開

第二章 雇用形態

 第二章では、外国人を雇用する際の雇用形態について、アルバイト、正社員等のほか、派遣社員や技能実習生。また、新設された、特定技能などについて見ていきましょう。

 

雇用形態についての検討

 

 外国人を雇用する際には、まず雇用形態を検討する必要があります。どのような雇用形態をとるのか、また、それぞれにどのような注意点があるのか等についても検討が必要です。

 雇用形態としては、アルバイト、正社員等のほか、派遣社員や技能実習生としての受け入れ等が考えられます。また、2019年に新たに創設された、特定技能による雇用ついても検討してみましょう。

 アルバイトの場合は、主に外国人留学生が対象となり、いわゆる単純労働に従事させることが可能ですが、正社員や派遣社員等の場合は一定水準以上の技能職としての採用となりますので、単純労働に就かせることはできません。また、労働条件については日本人同様に、労働基準法等の適用を受けます。外国人である事を理由とした低賃金や長時間労働は全て違法行為となりますので、これらの事も十分に考慮し検討していく必要があります。

 

アルバイト募集と注意点

 

 ここでは主に外国人留学生をアルバイトとしての雇用する場合の募集方法や、募集時における注意点について確認していきます。

 

〇募集方法

 

 アルバイトを募集する場合は、主に留学生が対象となりますが、どのように募集をしたらよいでしょうか。募集方法としては、地域の大学や専門学校等、外国人留学生が所属する学校等へ直接求人を行ったり、求人広告への掲載が多いかと思います。また、留学生の場合は、日本人の学生アルバイトにも言えることですが、在校生間での(先輩が後輩を紹介するといったような)口コミ等も多いかと思います。紹介による場合は求人広告の掲載料等も削減でき、ある程度信頼できる人が応募してくる場合も多いので、安心感があると言えます。最近ではSNS等による留学生のコミュニティでの紹介なども多くなっています。

 

〇募集時の注意点

 

 留学生の在留資格は「留学」です。したがって、そのままではアルバイトはできません。アルバイトをする場合は、別途、出入国在留管理庁(以下:入管庁)に対して「資格外活動許可申請」を行い、許可を得る必要があります。

  資格外活動には、就労する業種や時間に制限があります。制限を超えて就労させると、雇用主側も罰則を受ける可能性もありますので、注意してください。

 また、資格外活動許可を得ずにアルバイトを行うと留学生は「資格外活動罪」雇用主も「不法就労助長罪」等の罪に問われる場合があるので注意が必要です。

 

〇勤務内容についての注意点

 

 アルバイトについては、いわゆる単純労働も含めた業務に従事させることが可能です。最近では街中のコンビニ等で多くの外国人店員の姿を見かけますが、これらの多くは留学生によるアルバイトと思われます。

  単純労働にも従事させることは可能ですが、風俗営業等の業務は行う事ができません。入管法による制限は次項でもう少し詳しく解説していくことにします。

 

〇入管法による制限

 

 留学生の本来の在留目的は「学業」であり、資格外活動によるアルバイトが学業に支障を及ぼしてしまっては本末転倒です。この様な事を防止するために入管法では、資格外活動に一定の制限が設けています。具体的には、以下の①と②です。

 

①勤務時間の制限

 

 資格外活動では、勤務時間に関する制限が設けられています。アルバイト等の勤務時間は、原則として週28時間以内でなければなりません。この週28時間は、週のどの日を起算日としても28時間に収まらなければなりません。

例外として、夏休み等、学則で定められた長期休業期間等の場合にのみ、週40時間、1日8時間以内の就労が可能な場合がありますが、週28時間を超過した理由を書面で提出するように求められる事がありますので、注意が必要です。

 

②業務内容の制限

 

 業務内容の制限として、風俗営業等の業種での就労はできませんので、性風俗店での就労はもちろん、ホステスやパチンコ店員等の業務に従事させることもできません。

 また、たとえバックヤード等で食器洗い等を行わせる目的であっても、これらの風俗営業等の店舗での就労自体が認められませんので、注意しましょう。

 

✓在留カードの確認

 

 留学生アルバイトを雇用する場合には、外国人が所持する「在留カード」の裏面を確認し、資格外活動許可を受けているかどうかを必ず確認してください。

※在留カード裏面の資格外活動許可欄を必ず確認→

※法務省ウェブサイトより

 

 

 

 

 

 

 

※入管法による罰則規定

 

・資格外活動罪(入管法73条)(外国人本人に対する罰則)

 

 無許可で資格外活動を専ら行っていると明かに認められる外国人は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は300万円以下の罰金に処する。無許可で資格外活動を行っている外国人は1年以下の懲役若しくは禁錮または200万円以下の罰金に処する。

 

 第七十三条 第七十条第一項第四号に該当する場合を除き、第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行つた者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

 

・不法就労助長罪(入管法73条の2)(雇用主に対する罰則)

 

 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者、外国人に不法 就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者は3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとされています

 

第七十三条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者

二 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者

三 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者

 

 

 

ワーキングホリデーでの就労

 

 ワーキングホリデーとは、外国人が日本の文化や一般的な生活様式を理解するため、日本に長期滞在し、その滞納費を得るため等の目的

で、一部の就労が認められた制度で、日本との二国間協定を結んでいる国や地域からの在留外国人が行う事ができます。

 

〇日本との二国間協定の締結国

 

 2020年2月現在日本と、オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・韓国・フランス・ドイツ・イギリス・アイルランド・デンマーク・台湾・香港・ノルウェー・ポルトガル・ポーランド・スロバキア・オーストリア・ハンガリー・スペイン・アルゼンチン・チリ・アイスランド・チェコ・リトアニア・スウェーデン・エストニア・オランダ。以上、26の国と地域との間でワーキングホリデーの協定が締結されています。

 

✓ワーキングホリデーを行うためには、日本大使館等からワーキングホリデーのための査証発給を受ける必要があります。また、日本の文化や一般的な生活様式を理解するための活動であっても、風俗営業等の職業に従事することが認めらないのは資格外活動と同様ですのでこの点は注意が必要です。

 

インターンシップの受け入れ

 

 インターンシップとは、主に学生を対象とした職場体験で、実際の仕事を入社前に体験させることで、入社後のギャップを埋めるために最近では多くの企業で採用されています。

 

✓インターンシップを行うためには、入管法に定められた「特定活動」の許可を受ける必要がありますが、インターンシップかどうかは「報酬」の有無が主な判定要素となります。報酬とは、「労働の対価として支払われる金銭」とされており、この報酬がある場合はインターンシップと認められますが、交通費・食費等の「実費弁証的な金銭」のみを支払われる場合にはインターンシップとは認められません。この様な場合は、別に文化活動または、短期滞在の在留資格が付与されますので注意が必要です。

 

正社員等で採用する場合

 

 正社員等を募集する場合は、学校等への新卒採用の求人のほか、既卒者であれば、ハローワークや知人の紹介、求人広告の掲載といった方法があります。労働条件等については日本人と同様に労働基準法等の法令が適用されますので、この点も注意しましょう。

 

〇業務内容や在留資格の種類等に注意

 

 正社員等で雇用する場合は、外国人に行わせる予定の業務が、入管法上の在留資格に適合している必要があります。一般的には「技術・人文知識・国際業務」という在留資格で就労することが多いのですが、あくまで一定水準以上の技能職としての雇用なので、単純労働に従事させることはできません。また、申請時に許可された以外の業務を行わせると資格外活動とみなされますので、業務内容については、慎重な検討が必要です。

 また、採用予定の外国人の現在の在留資格が留学等の、従事する業務内容に適合しないような在留資格の場合は、「在留資格変更許可申請」を行い、別途適切な在留資格を取得する必要があります。「在留資格変更許可申請」には、おおむね2週間程度の審査期間が設けられていますが、審査結果が出る前に就労を開始することはできませんので、この点も注意してください。

 

派遣労働者としての雇用

 

 外国人であっても、派遣労働者として雇用する事は可能です。派遣労働者として雇用する場合は、その外国人が雇用される派遣元会社との労働契約等と共に、派遣先の企業等の業務内容等の双方ともに、在留資格の要件を満たしている必要があるので、注意が必要です。

 

技能実習生として受け入れる

 

技能実習制度とは、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下:技能実習法)によれば、途上国へ日本の優れた技術を移転する「国際貢献」を目的とした制度とされています。技能実習生の受け入れには、企業単独型と団体監理型があり、技能実習法により、受け入れのための実習計画の作成や、実習内容の記録等の帳簿書類の備え置き等様々な事項が細かく規定されています。

 

〇企業単独型

 

企業単独型とは、文字通り一つの企業が単独で技能実習生を受け入れる場合です。主に大企業が海外の支社や、海外の関連企業等からの研修を目的として外国人労働者を自社に呼び寄せる方法です。

 

〇団体監理型

 

 団体監理型とは、企業団体や商工会等が運営する監理団体が、一括して外国人実習生を受け入れ、傘下の会員企業等に実習生を派遣する方法です。現在の技能実習は、この監理団体型がほとんどですので、次項ではこの団体監理型についてもう少し詳しく解説していきます。

 

✓監理団体は、まず外国人実習生の母国にある送り出し機関と呼ばれる団体と契約により、実習生の募集を行います。採用候補者が決定したら、入国に必要な在留資格「技能実習」の申請を行います。

入国前には日本語教育等の基礎的な研修を行い、実習先企業での業務がスムーズに行えるように準備をすることになります。

入国後、それぞれの企業に受け入れられ技能実習実施計画に基づいた実習を行います。

 

✓技能実習の期間は通常3年、優良認定を受けた場合は、最大5年まで、日本で実習を行う事ができますが、その間には在留資格の変更や、在留期間の更新手続きが必要になり、手続きには技能検定の合格等が条件とされているため、実習実施計画に基づいて規定の技能検定を受験・合格する事等が求められます。

 

✓技能実習法には、実習実施計画や計画に基づく実習実施状況の報告書、実習生の生活状況の報告書等様々な報告書類の作成・保管等が細かく定められており、違反行為があると技能実習の継続ができなくなるほか、以後の技能実習生の受け入れができなくなる等の厳しい罰則が設けられていますので、慎重な管理運営が必要です。

  

   ※JITCOウェブサイトより

 

特定技能VISAでの雇用

 

 特定技能VISAは、2019年の入管法改正により、新たに創設された在留資格です。特定技能VISAには1号と2号の2種類の分類がありますが、特定技能1号のVISAは特定産業分野(①介護②ビルクリーニング③素形材産業④産業機械製造業⑤電気・電子情報関連産業⑥建設⑦造船・舶用工業⑧自動車整備⑨航空⑩宿泊⑪農業⑫漁業⑬飲食料品製造業⑭外食業)と呼ばれる14分野の業種でのみ取得が可能です。特定技能2号のVISAに関しては建設業、造船・舶用工業のみで取得が可能となっています。

 特定技能VISAの取得には、技能試験等に合格し一定の技能水準を有すると認められる必要があります。また、日常会話レベルの日本語能力も求められ日本語能力検定N4程度の合格が求められます。特定技能VISAは、従来の就労VISAに比べ求められる技能水準は低く設定されており、いわゆる単純労働にも従事させることができるなど、現在の日本の多くの企業で問題となっている人材不足の解消に期待が寄せられています。

 一方で、日常生活上の支援や、日本人と同等の給与水準、在留期間に上限が設けられていること等を理由に、当初の予定よりも特定技能VISAの申請数が伸びていない状況です。

 

✓技能試験は、海外の数か国で実施が検討されていますが、制度が複雑なことなどもあり、当初の予定より大幅に遅れているようです。求められる技能水準は、日本の技能検定4級程度と日本語検定N4程度の水準とされています。

 

✓特定技能VISAの外国人を雇用するには、日常生活等の支援業務を行う事が義務付けられており、雇用先企業が自社でこの支援を行えない場合は、登録支援機関と呼ばれる機関との支援契約を締結し、必要な支援を行わせることが必要です。

 

✓特定技能VISAは、原則として1年間、更新により通算5年間の在留・就労が認められます。

 

✓2019年の入管法改正時、特定技能VISAでは、特定産業分野①介護 ②ビルクリーニング③素形材産業④産業機械製造業⑤電気・電子情報関連産業⑥建設⑦造船・舶用工業⑧自動車整備⑨航空⑩宿泊⑪農業⑫漁業 ⑬飲食料品製造業⑭外食業の14分野でスタートし順次拡大していく事が検討されています。

    

     ※法務省・出入国在留管理庁リーフレットより

 

登録支援機関

 

 特定技能VISAの外国人を雇用する場合、日常生活の支援などが雇用先事業主に義務付けられていますが、これらの支援を自社で行えない場合、登録支援機関にその支援を委託する支援委託契約を締結することで、自社の支援義務を果たしたものとして扱われます。

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