第一章 外国人労働者の現状 | VISA申請・外国人雇用支援専門の行政書士河村事務所です。三重県鳥羽市を中心に国際結婚・永住帰化・特定技能・技能実習等の業務を展開

第一章 外国人労働者の現状

第一章 外国人労働者の現状

 

 第一章では、外国人雇用のメリット・デメリットや、国が公表する資料を用いて、外国人労働者の現状について詳しく見ていきます。

 

外国人雇用のメリット・デメリット

 

 近年、日本では少子化の影響等もあり、求人を出してもなかなか応募がない状況が多くなっています。

 そこで、労働者不足の解消策として、外国人の雇用を検討する企業も増えています。また、優れた経営者や、高度な専門技術を有して外国人を招聘する事も多くなってきています。

 外国人の雇用には、外国人特有の手続きがあり、違反行為には厳しい罰則があるなど、難しいといったイメージが持たれがちですが、しっかりとポイントを押さえればそれ程恐れることはありません。

 外国人雇用には、メリットもあれば当然デメリットもありますので、それぞれの状況に合わせて慎重に検討してください。

 

✓外国人雇用のメリット

 

・人材確保…外国人雇用により、人材不足を解消する事が期待できます。また、比較的若い世代の外国人就労希望者も多く、組織の若返りや活性化といった効果も期待できるでしょう。

 

・スキル…就労系の在留資格(以下:就労VISA)の取得には、一定以上のスキルが求められる場合が多いので、即戦力として業務に従事できる人材を確保する事ができます。

 また、経営者や高度な専門技術を有する外国人を呼び寄せる事で、グローバル社会への対応など、組織の抱える国際的な課題の解決なども期待できます。

 

・異文化理解…職場内に外国人が居ることにより、従業員間の外国人労働者や外国人労働者の母国に対する理解が進み、国際的な視点を養うことができます。グローバル化が進展した現代において、従業員個々人が国際的な視点を持つことは、今後ますます重要になってくるでしょう。

 

・販路・集客拡大…外国人労働者を母国とのパイプ役とし、海外進出による販路拡大や、母国からの集客拡大等、事業の発展が期待できます。自由貿易の拡大などもあり、今後も国際競争力の強化は重要になっていくでしょう。 

 

✓外国人雇用のデメリット

 

・手続き…外国人が日本で働くためには、就労VISA等の取得が必要になります。就労VISA等の取得には、入管法(出入国管理及び難民認定法)上の手続きが必要なため、専門的な知識が必要になります。また、手続きには数週間から数ヶ月の期間を要しますので、就労開始予定日まで余裕を持ったスケジュールが求められます。

 

・言葉…外国人労働者のスキルによっては、日本語が完全に理解できない場合もありますので、言葉の壁を感じる場合があります。特に接客を伴うような場合には注意が必要です。日本語検定の合格状況や、面接等でよく確認をし、採用後も継続的な日本語学習の機会が提供できる社内環境作りに努めてください。

 

・失踪…ごくまれに、外国人労働者の失踪が発生します。失踪者が発生すると雇用主側も管理責任を問われることになりますので注意しましょう。失踪には様々な原因が考えられますが、日頃からコミュニケーションをとり、外国人労働者の不満や不安を軽減し、失踪者を出さないような環境作りに努めましょう。

 

・習慣の違い…日本との習慣の違いから、トラブルとなる場合があります。一方的に叱責するのではなく、日本の習慣や文化を粘り強く説明し、相互理解をはかりましょう。

 特に宗教上の習慣は日本人にはなじみが薄い部分ではありますが、食べるものや、礼拝など厳しい戒律を厳格に守る方も多いので、十分に配慮しましょう。

 

・支援・費用負担…日常生活の支援や、手続き等に要する費用負担が発生する場合がありますので、企業としてどこまでの支援をするのか、どこまで費用を出せるのかなど事前に計画し、外国人労働者と認識を一致させておく必要があります。

 

 

 

外国人の就労状況

 外国人を雇用した場合、法令により届出が義務付けられています。ここではその届出を元にした、国(厚生労働省)の資料を用いて外国人の就労状況を確認していきましょう。

 まず全体的な概要として、厚生労働省の外国人雇用状況の届出状況によると、平成30年10月末時点での外国人労働者の人数は約140万人を超え、前年同期比で約18万人、約14%の増加となり平成19年に外国人雇用状況の届出が義務化されて以降、過去最高を更新しています。

 次に、外国人労働者の国籍別・在留資格別・増加率・都道府県別・事業所別・産業別の状況を確認してみましょう。

 

国籍別の状況

 国籍別では中国が最も多くなっていますが、増加率ではベトナム、インドネシア、ネパール等の東南アジア地域の増加が目立っています。これは、以前は中国からの受け入れが盛んであった技能実習生が、中国の経済成長やベトナムの労働力輸出政策等を背景に、受け入れ先国が東南アジア諸国に変化していった事がその要因と考えられます。

 

 

在留資格別の状況

 

 在留資格別の人数では、日本人の配偶者等の身分系の資格や技能実習生が多く、留学生等の資格外活動(アルバイト等)が続けています。

 これらは、純粋な就労VISAではないため、我が国に在留する外国人労働者に占める就労VISA取得者の割合は、まだまだ多くはなく今後も増加していくことが予想されます。

 

増加率

 増加率としては、2019年に新たに創設された「特定技能」の在留資格が大きく増加しています。特定技能とは、一定の技能を有する外国人を即戦力として雇用し、企業等の人材不足解消をはかるべく創設された在留資格で、これまでの就労VISAでは行う事が出来なかった単純労働にも従事する事ができることから、今後もその増加が見込まれます。

都道府県別の状況

 都道府県別では外国人労働者、外国人を雇用する事業所ともに、東京、愛知、大阪の大都市圏に集中している状況が読み取れます。

 このことからも、依然として地方都市での人材不足の解消には至っていない状況が読み取れます。

 大都市圏への人口集中は、我が国における課題でもあるため、今後この外国人労働者や外国人を雇用する事業所をいかにして地方にも波及させていくかといった新た課題も浮き彫りにしていると言ってよいでしょう。

 

事業所別の状況

 

 外国人労働者を雇用する事業所数は約20万か所で、前年同期比で約2万か所、約11%の増加となっており、平成19年に外国人雇用状況の届出が義務化されて以降、外国人労働者の人数同様に過去最高を更新しています。

 外国人労働者の数も増加傾向にあることから、今後ますます企業における、外国人雇用に関する知識が必要になってくるものと言えるでしょう。

 また、小規模事業所での外国人雇用が増加傾向にありますので、事業所の規模的に企業内でのサポートが難しいような場合は、専門家による事業所・外国人労働者双方への適切なサポートが求められます。

 

産業別の状況

 産業別では、製造業が最も多く、日本のモノツクリを支える産業での日本人労働者の不足の

深刻な状況のあらわれとも言えます。外国人雇用による人材確保で、事業運営そのものの存続は可能であっても、我が国の技能等の海外流出の懸念など新たな課題もあるといえます。

 

※厚生労働省:「外国人雇用状況」 の届出状況(概要版)より

 

✓このように我が国における外国人労働者は増加傾向が続いています。

 特に近年では、ベトナムやインドネシア等の東南アジア諸国からの労働者数が増加しており、今後もその増加が見込まれます。

しかし、我が国ではいまだに外国人労働者は低賃金で長時間働かせる事ができるといった誤ったイメージが先行しており、外国人である事を理由とした不当な扱いを受けている事例は後を絶ちません。こういった不当な扱いは、全て労働基準法等に違反する行為であり、決して許されません。

 外国人労働者の人権保護の観点からも、外国人雇用における適正な労務管理や入管法の理解は必要不可欠なものになってきていると言ってよいでしょう。

 少子化や人口減少は、我が国に限らず他の先進国でも問題になりつつあり、近年ではヨーロッパ諸国でも外国人労働者を受け入れる動きが出てきており、外国人労働者の奪い合いといった状況がすでに顕在化し始めています。

 我が国では、今後さらに少子高齢化の進展が予想されています。国民生活の維持に外国人労働者の存在は欠かせなくなっていますので、今後も日本が就労先として選ばれ続けるためには、外国人労働者の働きやすい環境を構築し、今後さらに増え続けるであろう外国人労働者を我が国に迎え入れる、共存共栄を目指していく必要があります。

 

 

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