在留資格:特定技能と留学の関係及び、入管当局の取り扱いについての注意点についてご紹介いたします。
特定技能
先般の法改正により創設された在留資格:特定技能は一般的に単純労働の受け入れといったとらえられ方をされておりますが、正確には、一定水準の技能を有する外国人を、即戦力として採用することにより、少子高齢化による日本の労働人口減少を解決する手段として創設されました。
留学
一方で、在留資格:留学は文字通り日本への留学を目的とした在留資格であり、主な活動は学業です。しかしながら、留学中の学費や生活費を捻出するため、一定の要件のもとアルバイト等の資格外活動が許可されます。
組織改編と権限の拡大
同時期の法改正で、入国管理局は出入国在留管理庁へと組織改編がなされました。
これまでの入国・出国の管理に加え、公正な在留の管理を行うものとされ大幅にその権限が追加されることとなりました。
具体的には、これまで労働問題は厚生労働省の所管であり、入管当局は一歩下がった位置から介入するものとされてきましたが、在留資格:特定技能の審査要件はまさに労働問題になり得るものが主な内容のため、入管長の権限によりこれらの労働問題に対する勧告・処分等が直接なされることとなりました。
注意点
現在、主に留学生アルバイトに依存している、いわゆる単純労働は多くの場合新たな在留資格:特定技能でカバーできることとなるため、入管当局としては、これらの公正な在留の管理のため、在留資格:特定技能の取得促進をはかり、留学生については学業に専念させる方向で、特に資格外活動についての監督を強めているところです。
多くの留学生が在籍する所属教育機関には次のような注意が必要です。
①資格外活動時間…留学生のアルバイトは原則週28時間以内の就労が認められていますが、この上限を超えると、就労目的の在留とみなされる可能性が強くなります。
②アルバイト代の使途…アルバイトで得た給料等は学費や生活費に充てることが前提です。そのため、本国への送金等を行うと出稼ぎ目的の在留とみなされる可能性が強くなります。
いずれの場合も、就労を目的とした、在留資格:留学の不正取得が疑われ、在留資格:特定技能の創設にともないこれらに対する入管当局の審査が非常に厳しくなっていますので、留学生の所属教育機関の担当者様においては適切な生徒指導をお願い致します。